今日が一月一七日だと気づいたのは朝起きてからだった。
冬の日の、それでも晴れ間が覗く穏やかな九州の朝。
その事がまた逆に私を悔やませた。
いつのまにか…
いつのまにか…
あの日の事を意識せずに済むように生きられる自分がここにいる。
阪神淡路の震災から、もう19年なんだそうな。
そりゃあ…想いも薄れるのは仕方ないかも知れない。
けど、忘れたらアカン気がする。
忘れたくない気がする。
東北の震災があった後に思った。
阪神淡路…まだ傷が癒えたわけやないで…
忘れんといてや!
けど、いつしか、東北の震災の方も…
忘れさられようとしてる気がする。
多分私は…
東北からも京阪神からも離れた、この九州の地で…
少なくとも幸せなのだろう。
色々な恵みに預かる中で、それまでは意識のどこかにあった震災への傷が…
改めてニュースとかで知らされない限りは気づかないくらいに…
日々を温かい何かで満たされているのだろう。
19年前、まだゴスペルをしっかり知らなかった私と高校生達が、助けになったか邪魔になったかわからないまま被災地に入った頃……
知っていたのはAMAZING GRACE だけだった。
あの時期、しばらくは何も唄えなくなった…。
歌じゃ人は救えない と落胆し…
それでもいつか歌が必要になる刻が来る と 確信を持つ事ができたのもあの時期だった。
今宵…
あの時期を想いながら…
私はAmazing Grace を唄う事にする。
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